桜の季節になると、亡くなった祖父と祖母のことを思い出します。
祖父は根っからの話し好きで社交的、祖母は感受性豊かでとても厳格な人でした。
普段よく話す祖父は祖母についてはあまり語りませんでしたが、祖母は「(祖父は)辰年の生まれだから、あっちにふらふらこっちにふらふらしている」と言っては、祖父のちょっとした(と見える)失敗にも、ずいぶん強く責めたりもしていたものです。
記憶をたどってみても、仲が円満だった場面というのを、なかなか思い出せません。
そんな2人でしたが、故郷のソメイヨシノが満開の季節に祖母が亡くなり、数年経ってちょうど同じ頃、花盛りの良く晴れた春の日に、祖父が亡くなりました。
いろいろなことが偶然で巡り合わせであり、あるいは逆なのかもしれませんが、人と人ってそういうものかもしれないなと、青空の下の桜を見上げながら最近考えます。