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「ロルフムーブメント」とは
ロルフィング®10シリーズを動作から補完するワークです。
12,000円(一般)
10,000円(学生)/ 回(90~120分)
身体の構造を整えるロルフィング®10シリーズをハードウェアへの働きかけとするなら、動きと呼吸を洗練させるロルフ・ムーブメントはソフトウェアに働きかけるものだと言えるでしょう。
ロルフムーブメントの特徴
ロルフムーブメントでは、身体を緊張させたりストレスを感じさせるような動き、偏った動きに注目していきます。
しかしそういった動きに対して、ロルフムーブメント・プラクティショナー(以下、プラクティショナー)は矯正しようとはしません。というのは、そのような動作はクライアントにとって役に立っていた、意味があったために身体に定着していると考えるからです。
その代わり、クライアントが自分の意思で、もっとバランスが取れた効率的な動きを、新しい可能性として受け入れられるように促します。
具体的には、プラクティショナーにガイドされながら、身体の感覚に注意を向けたままゆっくり動いてもらうことで、身体の動かし方の癖や、動作の準備段階で無意識的に起こる小さな動きの癖に気づけるようになり、また、もっと楽な動きを体感してそれを自分の動きの選択肢に加えられるようになります。
プラクティショナーとクライアントが協力して、歩行、立ったり座ったりなどの日常的な動作から、スポーツやヨガなどの特定の動作までを、より自由に無駄なく行えるように探求していきます。
通常ロルフムーブメントは、10シリーズを受け終えた後、あるいは受けながら、1週間に1~2回のペースで、3回または5回の連続したセッションとして受けていただくことをお勧めしています。
ロルフムーブメントが目指す動き
歩く、走るといった日常的な動作から、踊る、演奏するなどの専門的な動作まで、あらゆる動作を上手にこなすには、いろいろな動きをうまく組み合わせられることが必要です。この能力が高い人は、いわゆる「運動神経がいい」人たちです。
例えば、歩くときには脚で身体を運んでいますが、効果的に前に進むために、腰や骨盤の安定や、脚の動きにあわせた腕の振りが自然に起きます。
もし首や肩に力が入って腕を固め、さらに腰が安定しなかったとしたら、まっすぐ前に進むことさえおぼつかなくなります。
動きの「歯車」が狂う
このように、身体のあちこちで起こる動きを連携させて、1つの動作をすることは、ふだんは無意識に行われています。
しかし、怪我や、無理な動作の繰り返しで筋膜が癒着したり、空間に対する意識が部分的に欠けたりすることで、この連携は崩れてしまいます。
その結果、歩くときに、前に進みたいのに、後に身体を反らせて重心が残っていたり、しっかり地面を蹴りたいのに、横隔膜や肩を緊張させて足に十分体重を載せられなかったりといった、まるで自分でブレーキをかけながらアクセルを踏んでいるような状態がよく見受けられます。
安定させる動き と 動作につながる動き
身体のあちこちで起こるこれらの動きは、主に2つに分けられます。
身体を安定させるものと、直接動作につながるものです。
安定
ある動作をするとき、まず身体は安定を求めます。
身体の安定には、身体の奥にある深部(コア)の筋肉(インナーマッスル)が働きます。
例えば、歩くときには、腰や骨盤の奥にある筋肉(横隔膜、多裂筋、大腰筋、腹横筋・腹斜筋、骨盤底筋など)によって背骨が安定し、肩の裏にある筋肉(前鋸筋など)によって肩が安定して腕に重さが乗ります。
動作
それから、より浅いところにある大きな筋肉が働いて実際に動作を起こします。
先に安定が確保されていることで、しっかりと地面を蹴ることができ、歩くという動作がより効果的にできるようになります。
深部からの動き
したがって、うまく身体を動かすには、身体を安定させる動きに続いて、動作に直接つながる動きが連携して起こること、言い換えれば、深部からの動きが必要になります。
(それ以外にも、その動作に関わるあらゆる動きの間で連携がとれていることも重要です)
歪みと不調が起こるまで
疲労感、痛み、動きにくさなど、身体の不調を抱えている人の多くが、深部の筋肉ではなく、動作を起こすべき筋肉を使って、身体を安定させています。
本来の役割ではない、身体の安定という仕事を任されたことで、表面の筋肉は硬くなって身体を支えようとします。その結果、本来の自由な動きは制限されてしまいます。
すると、それはまるで硬い筋肉の鎧のように、深部の筋肉の働きを制限します。その結果、姿勢は不安定になり、あちこちに歪みが生じ、緊張した表面の筋肉は痛みなどの不調を訴えることになります。
ロルフムーブメントでどのように動きを変えるか?
それに対して、ロルフムーブメントでは、表面の筋肉の緊張をゆるめてから、深部の筋肉を目覚めさせ、さらに深部から表面へと動きをつなげ、本来の安定した、自由でなめらかな動作を引き出していきます。
具体的には、手技で組織の柔軟性を高めつつ、1つ1つの深部の筋肉を感じ、大きな動作の中でそれらをどうやって使っていくかを身につけていただきます。