@無理なく、A効率的に、Bオーダーメイドで
@ 無理なく、全身のバランスを取りながら、整える
それぞれのセッションでは、身体の特定の機能に注目し、それをじゃましている緊張や動きにくさを解消していきます。しかし同時に、その変化がクライアントの負担になっていないか、またクライアントが身体全体でうまく「消化」できているかに常に注意を払っています。
その結果、10シリーズは常に全身にわたる変化として、無理なく進んでいくことになります。
A 効率的に、3つのステップで、整える
10シリーズは、3つのステップに分けることができます。
1〜3までのセッションでは、柔組織(筋膜)の浅い層をゆるめます。
次の4〜7までのセッションでは、より深い層の緊張を取り除きます。
最後の8〜10までのセッションで、身体の深い部分と浅い部分を調和させ、深部の筋肉を使って、より自由に動けるようになります。
※ もしこれらのセッションの間で長く期間を空ける必要があれば、セッション3の後、セッション7の後が望ましいと言われています。
時間を空けない方が望ましいのは、セッション4とセッション5の間です。できるだけ1週間を越えないことが理想だと思います。
B オーダーメイドで、1人1人に合わせて、整える
それぞれのセッションで扱う部位や機能はほぼ共通しています。しかし身体の変化の受け入れ状態や、過去に遭遇した事故、身につけた姿勢や動きの癖などによって、同じセッションでも必要に応じて大きく異なったものになります。
個々のセッションは、それを受ける方と同じように、
ユニークなものです。10シリーズは、「オーダーメイドの施術」と言えるでしょう。
※ クライアントの状況によっては、追加のセッションを提案させていただくことがあります。
過去に頭、背中、お尻を強く打った方、開腹手術の経験がある方、精神的緊張が強い方は、10シリーズの間にクラニオセイクラルワークを受けて深部の緊張を緩和しておくことで、10シリーズによる変化がより深く円滑になります。
10シリーズの各セッションは、おおもね以下のようになっています。
セッション後のクライアントからのコメントも掲載させていただきました。
セッション1〜3: からだの浅い層を整える
セッション1 肺を自由にして、呼吸を深くする
「呼吸が楽になり、息苦しさがなくなった」、「だるく重かった身体が軽くなった」
10シリーズは、肺を自由にして、呼吸を深くすることから始まります。
呼吸が深いほど、自分や周りの環境の変化に対応しやすくなります。呼吸を浅くしている緊張を解放し、これからのセッションで起こる変化を身体が十分消化していけるようにします。
呼吸を浅くしている原因は、肩、腕、首、背中、また意外にも膝や股関節にあることも多いのです。
声楽家や歌手の方の中には、膝や股関節の緊張のため発声に限界を感じる方も多いようです。
また肺や心臓が肋骨の内側で圧迫されている場合には、首から横隔膜までつながって肺や心臓を包んでいる筋膜のネットワークを調整します。
セッション2 足を整え、全身を支えられる土台を作る
「長時間歩いても、疲れにくくなった」、「両足で均等に立てるようになった」
次は、身体を下から支えている土台を安定させます。土台は、歩いていても、座っていても、全身を支えてくれている足です。
ハイヒールをよく履く女性に肩こりや腰痛が多いのは、足首が不安定になることで肩や腰が緊張しやすくなることが大きいと思われます。下にあるものが安定して支えてくれなければ、上にあるものは休めず、自分の力でそこにとどまるしかありません。
足裏の3つのアーチを作っている骨の位置を整え、それらの骨の間の関節のほか、足首、膝の関節、股関節の動きも引き出していきます。また踵(かかと)を解放して背中側の重さをそこに預けられるようにすることで、腰や背骨にかかっていた負担が軽減されます。
セッション3 上半身と下半身を繋げる
「身体の中に軸を感じるようになった」、「深くリラックスできるようになった」
足からの支えによって、胴体(体幹)の内臓空間はさらに広がることができます。浅い層の最終回になる今回は、内臓空間を特に前後に広げることで、本来あるべき身体内部の一体感、全身の繋がりを取り戻していくための第一歩になります。
デスクワークの時間の長い方の中には、目の前のパソコン操作に没頭するあまり身体の後側の感覚が薄くなり、猫背の姿勢で内臓空間を圧迫していることがたびたびあります。身体の中に広がりがあると、作業に集中しても不快な姿勢を自然と避けるようになります。
身体の側面から、肩関節と股関節の圧迫を解放して、手と脚が自由に動けるようにします。さらに頭や首を整えた後、体幹、特に肋骨と骨盤の間の内臓空間を広げて、上半身と下半身のバランスをとります。それによって、踏み込んだ足の力をうまく拳まで伝えたり、走る時の手の振りを効果的に推進力として使えるようになります。
セッション4〜7: からだの深い層を整える
セッション4
「脚でお腹を支えているのを感じた」、「(立ったとき)前と同じところに足が行こうとしない」
このセッションから、身体の深部を脚が支えられることを目標にします。ここでは、内くるぶしから骨盤底にかけての、脚のより深い層を整えます。
それにより、膝関節と股関節のねじれが緩和されます。また骨盤の動きの幅が広がり、より水平な位置へと近づいていきます。
骨盤は、泌尿器、生殖器を収めていますが、肉体的・精神的な緊張がため込まれやすいところです。したがって、このセッション後には、これらの内蔵もゆったり休むことができるようになりますが、肉体的・精神的に普段よりも若干落ち着かなくなるかもしれません。
そのため、セッション4と5の間は、1週間以上開けない方が望ましいのです。セッション4と5は本来1つのセッションだったのを分割したものなので、セッション5まで終えればそのような不安定さも落ち着いてくるでしょう。
セッション5
「身体が大きな箱になったようだ」、「軽やかに歩けるようになった」
ここでのテーマは、長い脚を使って楽に歩けることです。上半身と下半身を繋ぐ重要な筋肉である大腰筋を使った、のびやかな歩行ができるように促します。
またセッション4の続きとして、腹部の深いところにある緊張を弱めることで骨盤がさらに水平に近づき、よりしっかりと上体を支えられるようになります。その結果、身体の深部の前面が伸び、中心軸をさらに上へ繋げることが可能になります。
セッション6
「背骨が勝手に動くようになった」 、「身体の真ん中に芯が通った気がする」
このセッションでは、セッション4と5で伸びた身体前面に釣り合うように、後面の深部を解放していきます。
必要があれば脚から始まり、骨盤の後面、そして背骨の両脇から頭へと、順に働きかけていきます。
また骨盤と背骨を繋ぐ仙骨の動きに注目して緊張を緩和させたり、左右のバランスを取ったりして、より滑らかな背骨の動きを引き出します。
セッション7
「頭痛とめまいがなくなった」、「頭の先から地面まで、軸が通っている」
前回までは、頭と首を整えるための準備にあたります。このセッションで、ようやく頭を整った身体の頂上に載せるこができます。その結果、慢性的な背中の痛み、頭痛、めまいなどが緩和するクライアントが少なくないのは、単純に頭の位置が悪いことがこれらの症状の原因であることも多いということを示しているのかもしれません。
身体に中心軸を通す際にも、この頭の位置が最後のキーポイントになります。
また通常このセッションを終えるころには、全身の柔軟性、関節の可動域、身体の前後・左右の非対称性が改善されていることが期待できます。
セッション8〜10: 身体を1つにまとめる
セッション8、9
ここからが身体をもう一度1つにまとめ直すためのセッションです。
この2回のセッションでは、これまでのセッションで得た変化をまとめていきます。
これまでのセッションでクライアントの身体は、身体の構造の変化、また新しい動きの可能性という点で、非常に多くの新しい情報を受け取ってきました。そのため多かれ少なかれ、意識的にも・無意識的にもクライアントは混乱しています。
したがってこの2回のセッションで、クライアントが新しい情報を取捨選択し、もっとも効率的に身体に取り入れていくことに最大限配慮していきます。
セッション10
このセッションで、身体全体が調和して機能するようにします。
また10シリーズ全体を振り返り、これからの数ヶ月・数年の日常生活の中で、今回の変化をどうやって維持し、またさらに向上させていくべきかを話し合います。
10シリーズを受け終えた後は、身体がそこで得た変化になじみ、またそれを十分に統合するために、次のセッションまで一定の期間をおきます。期間はクライアントのニーズによって様々で、半年〜1年程度が最も多いのですが、1ヶ月程度で受ける方もいます。
そして時間をおいて受けるセッションでは、新たに受けたストレスや緊張によって生じたアンバランスを整えていきます。
このメンテナンスためのセッションをポスト10シリーズと呼び、クライアントと相談しながら通常1、3、5回のいずれかの回数で組み立てます。